Ledatcham’s blog

ゲームとラノベが好きです🐱

田舎の猫 街に行く 番外編 我が麗しのグリーンフィールド

田舎の猫 大乱闘

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 「音子ちゃぁんっ!」

 メイが叫んだ。

 「メイごめんっ、止めないでっ!」

 師匠と並び立ちながらメイに向かって叫ぶ。

 「もう止めないわぁ。というかぁ、私もぉ……やる」

 

 へ? メイってそんな沸点の低いキャラだっけ?

 

 「私もぉ、ちょっと頭に来てるのぉ。ここはアオちゃんと出会った思い出の場所なのにぃ……」

 なるほど、友だちとの思い出の場所を壊されたくないって事ね。メイらしい理由だわ。生徒会の面々は既にステージから避難しているし、遮るものは何もない。

 

 私と師匠は威信軍団へ視線を向けた。

 

 「貴様らぁっ、ワシに逆らうとただじゃおかんぞっ! 威信軍団の皆さん、やっちゃって下さいっ!」

 副知事が威信軍団に向かって言った。

 「威~ッ!」

 威信軍団の皆さんが変な声で応えた。

 

 「その喧嘩買った~っ!」

 嬉しそうに言う師匠。

 「誰に喧嘩を売ったか教えてあげるわっ!」

 私も続く。

 

 観衆が取り囲む中、威信軍団と私たちとの戦いが始まった。

 「音子は右をお願いっ!私は左翼を叩くっ!」

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 師匠が弾丸のように飛び出していく。威信軍団は怪しい踊りをしながら近づいて来る。そこへ師匠がドロップキック。数人が吹っ飛ぶ。

 

 私は副知事を取り囲むようにしているヤツらにショルダーアタックをぶちかました。しかし体重差があるため、倒すまでには至らない。

 

 「んっだらぁっ!」

 左足をぐっと踏ん張り、右のハイキック。今度は1人ぶっ飛ばす事ができた。そのまま体を捻って隣の男に左の回し蹴りを食らわす。これで2人目。こうして大乱闘が始まった。

 

 師匠と私は縦横無尽にショッ……威信軍団の間を駆け回り、次々と倒していく。しかしヤツらはタフで何度も甦ってくる。

 

 「キリがないわね……」

 師匠の声にも疲れが見え始めた。するとその時どこからともなくメイの声が。これは……

 

 「夕暮れよりもぉ、昏きぃ舞いぃ……」

 

 ちょっ……ここでそれぶっ放すのかっ!?

 

 「メイ待ってっ! ここで全力はマズいっ!」

 「音子ちゃぁん、退いてぇ~っ! ドラゴンブレイブっ!!」

 

 「「あ……」」

 師匠と私の声が被った。メイの放った魔法は威信軍団の頭上を越え、湖の中に吸い込まれていった。そして一瞬の静寂の後、湖の中心で爆発が起こった。だからさぁ、セーブしろって言ったじゃん……

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 「おのれぇっ、絶対に許さんっ!」

 飛び散った水を盛大に浴びた副知事が怒鳴り声をあげた。

 「威~っ!!」

 威信軍団の皆さんも奇声をあげる。

 

 「はぁ~っ、仕切り直しか……」

 私がそう呟きた途端湖の中心が沸き立ち、そこから現れたのが──

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 「なっ、ブ、ブルードラゴンッ!」

 副知事が脅えた声で叫んだ。威信軍団の皆さんも狼狽えている。

 

 あー、これってアオちゃんの事を何も知らなかった感じ? 

 

 観衆はアオちゃんの事を知っているので「おお~っ」なんて声をあげている。中には「たぁまぁやぁ~」なんて叫んでるお調子者もいる。いや、それは違うだろ……

 

 「ちゃおおおおおおんっ! おおんっ!!」

 ノリノリでアオちゃんが雄叫びをあげる。首が後2つ欲しいわね……

 

 その途端、副知事を始め威信軍団の皆さんが踵を返した。

 「撤退っ! 撤退だっ!!」

 副知事が叫んだ。しかしその声は背後から現れた声にかき消された。

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 「狼狽えるなっ! 馬鹿者っ!!」

 背後から現れたのは──ため池マ……もとい、騒ぎの元凶であるパワハラ知事だった。